サステナビリティ

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

当社は、「医薬品開発のあらゆる場面で常にプロフェッショナルとしての質を提供し、ステークホルダーである製薬会社、医療機関、患者ならびに株主、従業員の幸せを追求する。」を経営理念として掲げています。役員・従業員の有する知識・経験、組織としてのノウハウ・システムを持続的に発展・維持し、製薬会社など世界中のヘルスケアカンパニーに提供することで、新薬を含む新しい治療技術の開発やその発展・浸透、ひいては人類の健康的な生活に貢献することを目指しています。

上記経営理念に基づき、当社は、医薬品開発のノウハウ・技術をもって新薬を含む新しい疾患予防・治療技術の誕生・成長に貢献し、国内外のバイオベンチャー、製薬企業、医療機器メーカーなどのヘルスケアカンパニー、医療機関のパートナーとして医療の発展に貢献し、患者様ならびに社会全体の期待に応えてまいります。

当社は、人命に関わる事業活動を行うため、当社の役員ならびに従業員には専門性のみならず高い倫理観が求められることから、コンプライアンスの徹底をはじめとした企業行動規範の遵守を徹底しております。また、内部統制の充実を図り、経営の健全性・透明性を確保することで、事業の発展とあわせて持続的な企業価値の向上に努めております。

企業統治の体制の概要

当社は、会社法上の機関設計として監査等委員会設置会社を選択し、経営の透明性の確保と監督機能の強化並びに業務上の意思決定の迅速化を通じた持続的な企業価値の向上を図っております。

また、業務執行の迅速化を図るため、執行役員制度を導入しております。

さらに、取締役等の指名・報酬に関する手続きの客観性、透明性及び公正性を確保し、コーポレート・ガバナンスの充実を図るため、諮問機関として任意の「指名委員会」と「報酬委員会」を設置しております。

取締役会

取締役会

当社の取締役会は、取締役(監査等委員ではない。)3名(うち、社外取締役2名)及び監査等委員である取締役3名(うち、社外取締役3名)の合計6名で構成され、社外取締役がその過半数を占める構成とすることで、監視・監督機能を一層充実・強化し、経営の透明性を高めております。また、財務・会計・法律に関する知識、経験の豊富な2名の社外取締役(監査等委員ではない。)及び製薬業界での経営、医薬品開発、人事、財務・会計等の高い実務経験を有する監査等委員である取締役3名により当該体制の健全性、実効性を高めております。さらに、社外取締役に対する事前の説明の機会を持つなど、社外取締役への情報伝達の充実を図っております。


定例取締役会を原則として毎月1回、また、必要に応じて臨時取締役会を随時開催し、経営方針、年度予算その他重要な事項に関する議論を行い、意思決定を行っております。また、意思決定権限を代表取締役に一部委任した上で、その業務執行の状況について適時、適切に報告を受けるなど、企業倫理の確立、監視・監督機能の充実に努めております。

監査等委員会

監査等委員会

当社の監査等委員会は、常勤の監査等委員である取締役3名(うち、社外取締役3名)で構成され、原則として毎月1回、また、必要に応じて適宜開催します。監査等委員会においては、各監査等委員の業務分担を定め、当グループのコーポレート・ガバナンスや内部統制システムの整備及び運用状況並びに会計監査人の評価などを主な検討事項として審議します。また、常勤の監査等委員は選定監査等委員として、経営会議等の重要な会議にも出席し、職務執行に係る監査を行います。

経営会議

経営会議

代表取締役、執行役員等をメンバーとし、また、常勤の監査等委員である取締役等をオブザーバーとする経営会議を、月1回以上開催しております。経営会議は、業務執行上の諸問題をタイムリーに解決する他、経営上の重要事項や業務施策の進捗状況等について、審議、意思疎通を図ることを目的としております。

指名委員会(任意設置委員会)

指名委員会(任意設置委員会)

取締役会における取締役の指名に関する意思決定等に社外取締役の関与・助言の機会を適切に確保し、意思決定プロセスの客観性、透明性及び公正性を向上させ、コーポレート・ガバナンス体制をより一層充実させるため、指名委員会を設置しております。指名委員会の委員は、取締役である委員3名以上で構成され、その過半数を独立社外取締役から選定し、その委員長は独立社外取締役から選任することとしております。
取締役会からの諮問に基づき、取締役の選解任、代表取締役及び役付取締役の選定・解職、後継者計画その他の重要事項を審議し、答申を行います。

報酬委員会(任意設置委員会)

報酬委員会(任意設置委員会)

取締役会における取締役の報酬に関する意思決定等に社外取締役の関与・助言の機会を適切に確保し、意思決定プロセスの客観性、透明性及び公正性を向上させ、コーポレート・ガバナンス体制をより一層充実させるため、報酬委員会を設置しております。報酬委員会の委員は、取締役である委員3名以上で構成され、その過半数を独立社外取締役から選定し、その委員長は独立社外取締役から選任することとしております。
取締役会からの諮問に基づき、取締役の報酬等の決定方針及び手続、取締役及び執行役員の個人別の報酬の内容等その他の重要事項を審議し、答申を行います。

機関ごとの構成員は次のとおりです。

SCROLL OVER
役職名
氏名
取締役会
監査等委員会
指名委員会
報酬委員会
経営会議
代表取締役 社長執行役員CEO兼CCO
秦野 和浩
社外取締役
杦山 栄理
社外取締役
西村 智子
社外取締役(監査等委員)
中島 与志明
社外取締役(監査等委員)
村上 祐一
社外取締役(監査等委員)
安藤 良光
執行役員CSO
坂本 勲勇
執行役員CAO
河合 順
執行役員CFO
髙橋 明宏
執行役員CCO
山口 志織
執行役員CIO
得能 正善
執行役員CPO
辻本 桂吾
執行役員CAPO
宮崎 正哉
執行役員CTO
長藤 寿昭
執行役員
豊田 悟
執行役員
猪俣 朋子
執行役員
田嶋 史悠
執行役員
白石 達也
議長
メンバー
オブザーバー

コーポレート・ガバナンス体制図

内部統制システムの整備の状況

当社は、内部統制システムに関する基本方針、すなわち取締役の職務の執行が法令や定款に適合することを確保するための体制、その他株式会社の業務及びその子会社からなる企業集団の業務の適正を確保するための体制について、以下のとおり定め、取締役会で決議しております。

取締役、使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

取締役、使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

  • 当社は、企業行動規範を定め、取締役及び使用人が法令・定款及び社内規程を遵守して活動できるよう、継続的に教育・推進を行う。
  • 当社の執行役員CCO(Chief Compliance Officer)は、組織内のコンプライアンスの推進、監督に努める。また、コンプライアンス委員会は、コンプライアンスに関するガバナンスとリスク管理、及び重要課題への対応を行い、経営会議、取締役会に報告する。
  • 当社の監査等委員は、取締役会のほか社内の重要会議に参加し、コンプライアンス体制の整備及び運用状況の確認を行う。
  • 当社は、代表取締役直轄の組織として内部監査部を設置し、当部門は監査等委員会と連携して法令・諸規則の遵守状況の監視を行い、取締役会にて報告する。
  • 当社は、倫理報告ポリシー及び関連する手順に基づいてホットライン窓口を設置し、法令違反ないし不正行為による不祥事の防止及び早期発見、並びに社会的信頼の確保に努める。係る通報があった場合、これを理由として通報者が不利益な取扱いを受けないよう、その保護を徹底する。
  • 当社は、企業行動規範及び関連する手順に従い、反社会的勢力、組織又は団体に対しては、不正又は不当な要求に応じず断固たる対応を貫き、一切の関係を遮断する。
  • 当社は、委員の過半数を独立社外取締役で構成する指名委員会及び報酬委員会を設置し、取締役候補者の指名及び取締役、執行役員の報酬の決定に係る透明性と客観性を高める。

取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制

取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制

当社は、法令及び社内規程に従い、取締役の職務の執行に係る情報を議事録、稟議書等の文書に記録し、適切に保存する。取締役は、これらの文書を常時閲覧できるものとする。

損失の危険の管理に関する規程その他の体制

損失の危険の管理に関する規程その他の体制

  • 当社は、企業活動に影響を及ぼす恐れのあるリスクを想定し、問題発生の未然防止に努めると同時にこれに適切に対処するため、リスクマネジメント委員会を設置している。委員会を構成する執行役員CXOが担当職務ごとに海外グループ会社横断でのリスク抽出・評価、回避策・対応策の検討を行う。リスクマネジメント委員会はその確認と、重要リスクの評価及びモニタリングを行い、経営会議、取締役会に報告する。
  • 当社は、サステナビリティに関する基本方針と取組みに関する討議を行うサステナビリティ委員会を設置している。委員会は、重要課題(マテリアリティ)に関する重点施策の策定と社内展開、及び進捗状況のモニタリングを行い、サステナビリティの取組みを全社で推進する。その取組状況を経営会議、取締役会に報告する。
  • 重大な経営リスクが顕在化したときには、危機対応ポリシーに従い、代表取締役を本部長とした対策本部を設置し、被害を最小限にするための対策を講じる。

取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

  • 当社は、社内規程により、取締役、執行役員の職務権限及び会議体の付議基準を明確化し、より効率的で妥当性のある意思決定を実現する。
  • 当社は、取締役会を原則として月1回開催する他、必要に応じて臨時取締役会を開催する。また、経営会議を月1回以上開催し、取締役会への付議事項に関する十分な事前検討、及び業務執行における重要事項の決定を行うことにより、意思決定の迅速化を図る。

当社及びグループ各社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制

当社及びグループ各社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制

  • 当社及びグループ各社は、コンプライアンスに関する基本方針として企業行動規範及び倫理・コンプライアンスプログラムを共有し、継続的に教育・啓蒙活動を行うことにより、役員及び従業員の倫理・コンプライアンスの意識の向上を図る。
  • 当社及びグループ各社は、リスクマネジメントポリシー及び関連する手順に従い、リスクに関する管理体制を構築する。
  • 当社は、経営計画において当社及びグループ各社が達成すべき目標を明確化するとともに、業務遂行状況の評価、管理を行う。
  • 当社は、社内規程に基づき、グループ各社の営業成績、財務状況その他の重要な情報について定期的に報告を受け、その状況を把握する。
  • 当社の執行役員CXOは、代表取締役から権限を一部委譲され、グループ各社を含めて横断的に担当領域を管轄し、業務の適正を確保する。

監査等委員会がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項

監査等委員会がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項

当社の取締役会は、監査等委員会がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合、監査等委員会と協議のうえ、監査等委員会を補助すべき使用人を指名することができる。また、当該使用人がその業務に関して監査等委員会から指示を受けたときは、その指示の実効性を確保する。

前号の使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性に関する事項

前号の使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性に関する事項

監査等委員会が指定する補助すべき職務に関しては、指名された使用人は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)から独立し、監査等委員会の指揮命令の下に職務を遂行する。

取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人が監査等委員会に報告するための体制、その他の監査等委員会への報告に関する体制

取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人が監査等委員会に報告するための体制、その他の監査等委員会への報告に関する体制

  • 当社の取締役は、当社及び子会社に著しい損害を及ぼす恐れのある事実を発見した場合、直ちに監査等委員会へ報告する。
  • 当社の取締役及び使用人は、監査等委員会の求めに応じ、定期的にまたは随時に、事業に関する報告を行う。
  • 重要な社内通報案件については、定期的にまたは随時に、監査等委員会へ報告する。
  • 監査等委員会へ報告した者が、当該報告をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けないよう、その保護を徹底する。

監査等委員の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続きその他の当該職務の執行について生ずる費用又は償還の処理に係る方針に関する事項

監査等委員の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続きその他の当該職務の執行について生ずる費用又は償還の処理に係る方針に関する事項

当社は、監査等委員がその職務の執行について必要な費用の前払い等の請求をしたときは、速やかに当該費用又は債務を処理する。

その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制

その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制

  • 当社の監査等委員は、重要な意思決定のプロセスや業務の執行状況を把握するため、取締役会、経営会議等の重要会議に出席するとともに、稟議書類等業務執行に係る重要な文書を閲覧し、取締役及び使用人に説明を求めることができる。取締役及び使用人はこの求めを阻むことはできない。
  • 当社の監査等委員会は、「監査等委員会規程」及び「監査等委員会監査等基準」に基づく独立性と権限により監査の実効性を確保するとともに、内部監査部との緊密な連携を保つことで監査の実効性を高めることに努める。

リスクマネジメント

リスクマネジメント体制

当社は、企業活動に影響を及ぼす恐れのあるリスクを想定し、問題発生の未然防止に努めると同時にこれに適切に対処するため、リスクマネジメント委員会を設置しております。これにより、災害、不正、情報漏洩などの事業遂行リスクについて年に一度、評価を行い、回避策・対応策の検討と実行を行っています。また、持続的な事業成長を阻害するような環境変化や機会損失などの事業機会リスクについては、代表取締役の指示のもと、各事業部・部門にて評価と対策を行っています。また、これらのリスク管理状況は経営会議及び取締役会に定期的に報告しております。
さらに、2025年3月期には、当期に新たに導入された執行役員CXOが、担当職務ごとに海外グループ会社横断でのリスク抽出・評価、回避策・対応策の検討を行い、リスクマネジメント委員会においてその確認と、重要リスクの評価及びモニタリングを行う体制とします。

重要リスク

上記体制に基づき、各リスクを発生の頻度とダメージ(損害金額)の大きさによりそれぞれ5段階で評価し、重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクを重要リスクとしてその対応策の強化に注力しています。中でも特に重大な影響があると判断したリスクは以下の通りです。

特定の顧客への売上割合の高さに関するリスク

特定の顧客への売上割合の高さに関するリスク

当社グループは、医薬品開発を行う企業から業務を受託しサービスを提供しています。特定の顧客への売上が全体に占める割合が高くなりすぎた場合には、その顧客が当社グループに委託中のプロジェクトを中止・キャンセルした場合に、CRAの稼働率が低下すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。これまで当社は日本国内の有望な開発品目を多く有する大手製薬会社を中心に取引を行っており、その業務品質が顧客に認められた結果として特定の国内製薬会社の売上割合が相対的に高くなっていましたが、海外での事業を拡大し顧客数が増加した結果、この状態は改善しております。
引き続きこうしたリスクへの対応として、グローバルビジネスの拡大及び創薬支援事業など業容の拡大により、国内外のバイオテック企業の需要の取り込みを図るなど新規顧客を開拓し、顧客基盤の拡大に努めます。

CRO業界内の競争激化に関するリスク

CRO業界内の競争激化に関するリスク

欧米グローバルCROの日本事業拡大や他社CROが行う低価格戦略に伴う価格競争の激化等により、受託件数の減少や受託契約価格の下落が起こった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクへの対応として、当社グループでは、国内外の製薬会社やバイオテック企業の新規性の高い開発品や難易度の高い疾患領域へ注力し、優秀な人材の確保・育成を通じて、迅速かつ高品質にグローバルワンストップで受託業務を遂行することにより、同業他社との差別化を図ってまいります。

国内における治験の海外シフトに関するリスク

国内における治験の海外シフトに関するリスク

医薬品開発の国際競争は益々過熱しており、主要市場国で迅速に承認を取得し収益を最大化するために、グローバル開発は製薬会社の基本的な戦略となっております。当社グループの想定を大きく超えるスピードで治験環境のグローバル化と海外シフトが起こり、日本国内で行われる治験の規模・数が急速に減少するような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクへの対応として、当社グループでは日本以外にも米国、欧州、アジアに自社拠点を展開しています。また、自社拠点を有しない国においては、短期的には他社CROと協業体制を構築するとともに、自社拠点設立による内製化を検討し、グローバル受託体制の拡充による国際共同治験への対応力の向上や、海外子会社の受注獲得力向上を通じた海外売上比率の拡大を進めています。

治験の委託件数減少・規模縮小のリスク

治験の委託件数減少・規模縮小のリスク

当社グループの主要顧客である製薬会社の医薬品開発戦略の変更(重点領域・開発品目の大幅な見直し、他社との共同開発・ライセンス契約締結促進、及びこれらに伴う内製化や外注方針の見直しなど)により、当社グループへの委託件数が減少する可能性があります。また、新薬開発の難易度上昇や競争激化に伴い、開発プロセスの効率化による迅速化やコスト抑制ニーズが高まっており、リアルワールドデータの利活用やDXの進展等による開発効率化が想定以上の速さで進展する場合には、当社グループへ委託する治験の規模が縮小し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクへの対応として、当社グループでは、国内外の製薬会社・バイオテック企業などの新規顧客開拓による顧客基盤の拡大に加え、分散型臨床試験(DCT)などに必要な自社で保有しない機能については、グローバルでパートナリングを拡大しております。今後、ニーズ・市場動向に応じて内製化を検討することにより、多様化する治験効率化ニーズにも対応してまいります。

関連法規制の不遵守によるリスク

関連法規制の不遵守によるリスク

当社グループが受託する業務の実施等において、関連する諸法令に対して重大な違反の事実があった場合に、その委託者である製薬会社に損害を与え、当社グループが損害賠償の責めを負うとき、または、委託者以外の製薬会社からも信用を失ったときは、訴訟の提起や受託件数の減少により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクへの対応として、業務手順の定期的な見直しとリスクに基づく品質管理プロセスの確立や、従業員に対する継続的な事例研修を行うことで業務品質の確保に努めています。

情報セキュリティに関わるリスク

情報セキュリティに関わるリスク

医薬品の開発業務において情報のデジタル化が進展する中、当社グループにおいてもこれまでITセキュリティの強化を随時実施しておりますが、その想定を超えたサイバー攻撃などにより、当社グループのITを利用したサービスの障害や情報漏洩が起こった場合に、当社の事業運営並びに、顧客や治験実施施設の業務に重大な影響を与えるリスクがあります。
こうしたリスクへの対応として、以下の通り、外部専門家から指導・助言を得て、情報セキュリティをより一層強化しております。
<基本的な考え方とガバナンス体制>
当社グループは、医薬品開発を担う企業として情報セキュリティの重要性を深く認識しており、「情報セキュリティ基本方針」を定め、海外子会社を含む全グループで情報セキュリティの維持に取り組んでいます。
当社グループは、執行役員CIO(Chief Information Officer)がITに関するグループ全体のリスク管理と戦略の策定・実行を担い、代表取締役へ直接報告を行っています。情報セキュリティに関しては、執行役員CIOの配下にあるCISO(Chief Information Security Officer)を最高責任者とし、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)推進体制をグループ全社で構築し運用しています。監督機能としては、経営全般に関するガバナンスの一環として取締役会が最終的な監督責任を担っており、特に情報セキュリティについては重要リスクとしてその対応状況がリスクマネジメント委員会を通じて定期的に報告されています。
<対策>
上記の基本的な考え方とガバナンス体制の下、ISMSにおいて定期的に情報セキュリティリスクの特定と分析を行うとともに、顧客等ステークホルダーからの要求や法令等の規制を考慮して情報セキュリティに関する手順と組織的、人的、物理的、技術的セキュリティ対策を整備し運用することでリスク低減を行っています。また災害やインシデント発生時に迅速に復旧や報告・対応できる手順を整備しています。こうした手順の周知とサイバー攻撃を含む情報セキュリティリスクに関する従業員一人ひとりの対応レベルを高めるため、定期的に全社員を対象とした様々な研修を実施しています。なお、2024年3月期には、グループ全社を適用範囲としたISMSについて、独立した第三者機関であるNSF-ISRを通じて国際的な認証制度であるISO/IEC27001認証を取得しました。
今後も継続的にISMSの運用とその有効性評価により情報セキュリティの維持・強化に取り組んでまいります。

個人情報の不適切な取扱いに関するリスク

個人情報の不適切な取扱いに関するリスク

当社グループが受託・実施した臨床試験等において、個人情報の流出や漏洩、不正利用などが発生した場合において、当社グループが委託者である製薬会社から損害賠償の責めを負うとき、または、その情報の流出により委託者以外の製薬会社からも信用を失ったときには、訴訟の提起、もしくは受託件数の減少により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクへの対応策として、ISO/IEC27001に適合した情報マネジメントシステム(ISMS)の運用に加えて個人情報保護法ほか各国関連法令に基づき個人情報保護に関する手順を整備し、個人情報保護に関する全社員への研修及びマネジメントクラスやグループ会社を対象とした階層別の研修等を定期的に実施し、発生リスクの低減に努めています。

関連資料

コーポレートガバナンス報告書

リニカルのコーポレート・ガバナンスに関する報告書(2024年7月2日発行)はこちらのリンクからご覧いただけます。

リニカルのサステナビリティの取り組みをご紹介します。

重要な社会課題

リニカルはサステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)を特定し、マテリアリティへの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。

コーポレートガバナンス

リニカルのコーポレート・ガバナンス、内部統制システム、リスクマネジメントについてご紹介します。

ESGデータ

リニカルの「E(環境関連)」「S(社会関連)」「G(ガバナンス関連)」データを開示しています。